ミュージックライン千住Vol.3(2006.3.18〜19)JINROKUYA Tribute

かつてとんでもない酔っ払いのマスターがやっている「甚六屋」というお店が千住にありました。
音楽好きの集まる小さな小さなお店です。
夜通し語り合ったり、演奏したり、大音量のレコードに合わせて踊りまくったり、時にはプロのミュージシャンもよく客としてやってきました。
そしてある日知ったのです。
70年代から80年代にかけて東京下町で唯一のライブハウスだったことを!
その時代のエポックな人たち、高田渡、、友部正人、三上寛、遠藤賢司、森田童子、友川かずき、なぎらけんいち、他にもたくさんの人たちがその場所で、熱い演奏を繰り広げたのでした。
アマチュアだったバンドを店でライヴレコーディングし、プロデビューさせたこともありました。
「たま」のメンバーが雑誌"ぴあ"で自分の忘れられない場所として「甚六屋」を挙げていて、びっくりした憶えがあります。客として通いつめていて、メンバーと出会った所なのだそうです。
確認はしていないのですが、金八シリーズで不良の溜まり場になっているライヴハウスの名が「JINROKUYA」だったという話も聞いたことがあります。
たまたま知り合った横浜を拠点とするプロミュージシャンは、偶然にも当時の「甚六屋」出演者で、当時駆け出しの自分はここで育てられたと、十数年ぶりに千住を訪ねてくれました。
そのとき再会したマスターの言葉は振るっていました。「育てた覚えは無い、気に入ってたから出しただけだ」
それももう16年前の話です。
突然のマスターとの別れから早6年、その意志は必然的にいろいろな形になって受け継がれていると思います。
ミュージックライン千住もそのひとつであることに間違いはありません。
そこで七回忌にあたる今年3月のミュージックライン千住Vol.3は「甚六屋トリビュート」として亡き先駆者にリスペクトを込めて開催したいと思います。
これは個人へのオマージュではありません。過去から現在、そして未来への橋渡しのためのものです。
ゆかりのミュージシャンも多数出演いたしますので、こうご期待ください!

ミュージックライン千住実行委員会